読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

夜のおつまみ

夜な夜な酒のつまみになる何かを探してさまよった記録です。

同窓会に出たら、野心の抜け殻のような人に出会った話

生き方 働き方

夏前に、高校の同窓会に出たのですね。高校時代から付き合いのあるいつもの友人たちばかりではなく、総会的な大きいやつ。

 

その中で、印象深かったのが一人。

 

当時、校内ではすごい秀才なのに勉強嫌いで通ってたんだけど、特に理科系科目のセンスはその高校の標準的な秀才のレベルではなく、その才能をもって某名門国立大学に現役進学して、その後音信不通になっていた男。

 

その彼は、日本を代表する級の大メーカーに就職しながら、3年くらいでやめて、その後ずっとコンサルタント的な仕事をしていました。ビジネスの規模としては恐らくほとんど個人事業主なんだけど企業化してて、収入とかも全然上がらず。なんか当時のキラキラした才覚も全く見えなくなってしまって、その割に、「誰とかさんと一緒に仕事したことある」っていうのが口癖で、だけどそのある程度有名な誰とかさんのリストに全く関連性がなく、それが人脈だと思っている感じのお仕事。

 

そいつと同じ大学に行った人に、なんで彼ああなっちゃったの?って聞いたら、要は、自分の器はその大学では収まらないと称して、イベントサークルにはまり込んで学生にしては大きなお金を動かすビジネスに一口噛んで行く中で、普通の学生生活とか会社員生活がつまらなくなり、ついでに高校の同級生のような平凡な連中と仲良くするのもばかばかしくなり、そして4年後就職で上京し、会社員生活の中で「人脈」なるものを作って起業し、当初のキラキラした才気のおかげで最初は色々な業界のそこそこ大物から可愛がられることもあったのだけど、歳を経るごとにそういうこともなくなり、今に至ると。

 

 

で、なんで今こんな話を思い出したかというと、タイミングよくこちらの漫画を読んだので、です。

 

orangestar.hatenadiary.jp

 

 

たくさんの若者が自分の器以上の野心を持ってしまって、器を大きくする方向を間違ってしまって、そしてそんな野心を持つたくさんの若者の気持ちに付け込む人が、間違った方向に若者たちを育てることで、マネタイズしていく、その風景はとても趣深いと思います。

 

 

ただ、それは別に今に始まったことではなく、よく考えたら、ブログに限らず、起業だとかフリーターだとか青年実業家だとかということで、もう何十年も前から同じような人はいましたよね。

2000年代中盤に数多く見られた、ホリエモンに憧れて、サラリーマンはつまらないというアジテーションに乗せられてITベンチャーに転職してブラック労働しているSEの人とか。

あるいは1990年代初頭に、サラリーマンでは自由が得られないので、新しい働き方だということで終身雇用に縛られないフリーターという生き方を選んで、今40代無職になってしまっている当時の若者とか。

さらに、80年代後半に女性タレントと結婚した「青年実業家」に憧れて飲食業とか不動産業始めて、鳴かず飛ばずでもう50代後半を迎えているおっさんとか。

更にその昔には、学生運動で安保反対とかも、ある意味そのような話であって、多くの人は少しかじって、やっぱ上手く行かねーやと思って止めるんだけど、はまり込んだらいまだに内ゲバやってる困ったおじいちゃんになっていたりとか。

 

で、この種の若気の至りというのは、今この年になってみれば何が起きていたか分かるんだけど、その時点では、その選択はまずかったということは分からないところにポイントがあります。同じように1990年代初頭に日本的大企業から方向を転換して、例えば外資系金融機関に転職した人は、当時はフリータになったり起業したりといった人たちと同じくらい愚かな選択をしたとその日本的大企業の人はささやいていたはずです。*1

だから何が良くって何が悪かったかなんて、後にならないと分からないという面があるのは事実だけど、でも、ある程度先が見えるような転職ならともかく、上手く行かない選択肢から抜けられないっていうのは、やはり野心が大きすぎて、身の丈を余りにも超えていたというところに原因があるのかなあと。

 

ところで私は、そういう若者に付け込んで商売をする人については、別になんら悪感情は持っていなかったりします。払いたい人が払うのが何が悪いのか - 夜のおつまみ くらいに思ってたりして。ブログ書きのセミナー、NOTEへのお布施、いいじゃないですか。払いたい人は、払うだけの理由があるのです。払うだけの理由、それが若気の至りの野心だとすれば、その野心は自分で収めないといけないと思うからです。

 

 

 

 

 

 

 

*1:その中には、本当に大した学歴も職歴もなかったのに転職後その能力を伸ばし経験を積んで、短大しか出てないのに連年数千万から億の稼ぎを謳歌した人もいますし、50歳になって追い出された同期から「今思えば彼のあの選択は正しかった」と云われている人も数多く出ています。