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夜のおつまみ

夜な夜な酒のつまみになる何かを探してさまよった記録です。

人が死ぬのは、必ずしも働く時間が長いからだけではない

働き方

電通の新人社員が亡くなった記事を見て、若いころ長時間勤務で身も心もさいなまれた身としては、身につまされてあまりブログを書く気もなかったのですが、以下の記事を見て、少し書いといたほうがいいかな、と思うことがありまして。

 

toianna.hatenablog.com

 

電通に入るのがエリート層であるのは間違いありません。新入社員の半数はコネで残り半数は実力と言われますが、コネがある時点で、少なくとも親はエリートです。

 

で、ところで。電通は上記エントリに書いてあるとおり、社風に問題があります。単に勤務時間が長いだけではありません。宴会芸は下品極まりなく、下ネタが当たり前のようにまかり通ります。酒や性をネタにして人を笑わせるのはかなり人間の品性としてどうかと思いますが、それが当たり前。若い人が自分の性的なあるいはアルコール的な弱さをさらけ出してダメになっているところを年上が笑い倒すような文化があると聞きます。異性関係も必ずしもクリーンではなく、婚外恋愛や、影響力や金と引き換えにした男女関係が公然と存在すると聞きます。

 

いまどきそんなのがあるのかと疑う人もいるかと思うのですが、私も、大学や高校の同級生で電通に行った人が何人かいるから聞いているんですけどね。もちろん、ほとんどの会社でそういう要素はゼロではありませんが、基本的に、表立ってそういうことをする人は多くの大企業では、排除されます。でも、電通においては必ずしもそうではない。

 

そのような社風は、いわゆるエリートな人たちが育ってきた環境でよしとされる行動とは相当食い違っているものです。実際、私の同級生たちに「で、お前も下半身さらして宴会芸したの?今でもそんなことしてるの?」と聞くと、ほぼ例外なく、したともしなかったともいわず、「俺は後輩にはそういうことはさせてないけどね」と言います。

 

私が知る限り、普通の人はともかく、エリートな人は、単に忙しいだけでは、勤務時間が長いだけではそう簡単に死ぬものではありません。人が死ぬのは、仕事が忙しいのに加えて、そのような、人格を否定するような何かが常態的に存在するからだと私は思います。

 

その意味では、給料が良くて、仕事自体に社会的影響力があって、周囲の見る目もエリート、という会社だから入社するので、本来的に、電通という会社は、それまでエリートな経歴の人が無防備に入るような社風の会社ではありません。下半身さらして宴会芸するような社風に人格否定を感じる人は、電通みたいな会社には入るべきではない。

 

テレビ局もそうですね。給料が良くて、仕事自体に社会的影響があって、社会的威信が高い会社なので、エリート層の人が入社するのですが、基本的には電通と同じ体質があり、異性関係やお金の関係でしばしば問題が発生しており、それを社内で咎める機能が弱いです。某テレビ局の社長は、役員になりたての頃に上昇志向の強い若い女子アナ(複数)と不適切な関係を持ち、そのことは周知の事実であったにもかかわらず、社長に上り詰めたとかいう話も聞きます。そういう関係をよしとする若い社員ならば別に部長や常務と寝るのは構わないのかもしれませんが、普通の人はそんなことは嫌でしょう。

 

それを人格否定と思わない人、あるいは、エリートであり続けるためにそれは二の次と思える人は、電通やテレビ局をエリートコースだと思えばいい。でも、別にそこまでのことをしなくても、給料、仕事の社会的影響力、社会的威信の高さにおいて似たようなレベルの仕事はいっぱいあると思うのですが。

 

 

なお、昭和の時代には、このような電通みたいな社風の会社は実はそこら中に存在し、現在のパナソニックでも、販売店相手の営業担当者はものすごかったと聞きますし、生保の営業ウーマンに対する男芸者ぶりとか、証券会社や一部銀行の外回り営業、いろいろあったと聞きます。でも、海外進出も含めたダイバーシティ、また、直接的には規制緩和で人間関係(=媚びる営業)だけでは商売ができなくなるといったことで、そういう悪習が薄らいでいっています。

 

そういえば、島耕作シリーズでも販売店営業で裸踊りしたエピソードがあったような。島耕作という漫画に横溢するアレ、あの昭和の臭いが、上に書いたような電通的な社風と相通ずるものです。

 

広告代理店やテレビ局は、少なくともこれまでは規制にしっかり守られた産業で、ダイバーシティ規制緩和の波をかぶることも少なく、また、マスコミ自体、昭和前半にはどちらかというとエリートではなく無頼型の人がたくさんいたという事情もあり、古い体質が残存し続けているという事情は、就職しようという学生の人は良く考えたほうが良いかもしれません。