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夜のおつまみ

夜な夜な酒のつまみになる何かを探してさまよった記録です。

サービス業の生産性は、頑張ることで低下する

ビジネス 働き方

恐ろしくひどい記事を見ました。

www.yomiuri.co.jp

引用します。

小売りや飲食など日本のサービス産業の生産性が、米国の5割にとどまることが、日本生産性本部の調査でわかった。

労働生産性は、従業員1人が一定の時間あたりでどれぐらいのモノやサービスを生み出したのかを示した指標だ。日本生産性本部が、日米の生産性に関する2010~12年のデータを比較した。

その結果、米国を100としたときの日本のサービス業は49・9%と半分の水準にとどまった。業種別では、飲食・宿泊業が34・0%、卸売・小売業が38・4%と米国を大きく下回った。

一方、製造業の生産性は米国の69・7%と、サービス業に比べると差は小さかった。化学が143・2%、機械は109・6%と米国を上回る業種もあった。 

 

労働生産性は、従業員1人が一定の時間あたりでどれくらいのモノやサービスを生み出したのかを示した指標だ」というのが、きわめて誤解を招く表現です。正確には、「どれくらいの価格のモノやサービスを」という表現でなければなりません。

 

なので、例えば、「お・も・て・な・し」とかで、無料でスマイルしても、労働生産性はちっとも上がりません。「おもてなし」で有名になった滝川クリステルは、その一言で猛烈なお金を稼いだので、彼女的にはおもてなしは労働生産性が高いお仕事なわけですが、大半の「おもてなし」は、その故に得られるお金が僅少であり、本当に単なるサービス、従来の日本語で曰く「タダ働き」に堕しているのが実態だと思われます。

 

小売りでいえば、24時間も働いて面積当たりちっとも儲からないコンビニは、労働生産性が低いということになります。一日1時間しか開かなくても、コンビニの24分の1よりたくさん売り上げれば、そちらのほうが労働生産性が高いと言われる、それが定義です。

 

だから、ここで比較されているアメリカや、あるいは生産性が高いとよく言われるドイツの小売店を見て、「サービスが悪い、おもてなし精神が足りない」と馬鹿な評価をする日本人が多くいますが、それは単なる間違いで、できるだけ短い時間で、できるだけ手抜きで、たくさん売り上げたほうが生産性が高いのです。

 

私は、日本のサービス業の生産性をもっとも下げているのは、コンビニエンスストアだと思います。あんな長時間働いて、夜間とかレジガラガラで、どうして生産性を高くすることができるわけはありません。あんな業態をのさばらせて、そしてようやく先日一線を退くことになりましたが、効率の悪い産業を作り上げフランチャイズオーナーの犠牲のもとに上前だけはねた経営者をほめそやしたのか。

 

それは、消費者がわがままだからです。サービスはタダだと思っているからです。自分たちはお客様になれば神様だと思っているからです。

 

生産性の高い小売りをほしければ、消費者が我慢するしかないのです。夜は買い物をしない、正月やクリスマスは買い物はお休みで当たり前。

 

供給者みなが足並みをそろえて、そんな消費者のわがままに付き合わなければよいのですが、残念ながら、そこに合成の誤謬があり、抜け駆けするセブンイレブンの元鈴木会長のような経営者がいるわけです。ほんの少しの追加利益のためにオーナーとバイトの犠牲のもとにほぼ無償の資源を追加しまくる経営者と、ほんの少しの売上のために頑張っちゃうオーナーとバイトが。

 

 

それが、日本のサービス業の低生産性の原因だと思います。頑張るから、生産性は下がるのです。

 

 

 

さらばカリスマ セブン&アイ「鈴木」王国の終焉

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コンビニ店長の残酷日記 (小学館新書)

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