夜のおつまみ

夜な夜な酒のつまみになる何かを探してさまよった記録です。

お金を正しく運用したければ…銀行でもいいんじゃね?

最近あちこちで話題の「難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」。

難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!

難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!

 

 

さて、この本の中であちこちで驚きとともに取り上げられているのが「お金を正しく運用したければ、銀行には近づかないほうがいい」という記述です。理由は、銀行は人件費や地代のせいで手数料が高いのに対して、ネット証券はそれがないということのようです。

 

これ、ネット証券が良いだなんて、ただのポジショントークだと思うんですけど。だって、このように述べる山崎氏は、楽天証券経済研究所客員研究員、だからです。疑うなら、本人のツイッターのアカウントを見てみてください。2017年1月22日現在、山崎氏は、ネット証券会社の経済研究所で仕事しています。

 

実際には、ネット証券だって、システムコストはかかりますし、人件費だってかかります。また、上場しているネット証券会社は、利益向上のプレッシャーが株主からかかりますので、やはり一銭でも多く稼ぎたいものです。したがって、多くのネット証券は、ノーロードの投信からの信託報酬とかといった安い利益ではなく、信用取引や、短期の現物売買での取引手数料、為替証拠金取引(FX)といったところを大きな収益源としていますし、ノーロードの投信を目当てにネット証券と取引していても、信用取引やFXへの誘惑は常にそのネット証券会社からあるものです。そして、信用取引やFXは、はるかに、山崎氏が愛する競馬並みに損をする可能性が高い取引です。ネット証券だから、正しい運用ができるというものではありません

 

一方で、従来型の対面型の証券会社や、銀行でも、最近は低コストの投資信託を購入できるようになっています。こうした会社もネット取引もできるようになっていますし、そのような中で、別にネット証券にだけ低コストのメリットがあるわけではないです。

 

そうすると、山崎氏みたいな評論家が主張するのは、銀行や証券会社のセールスが高い商品を売りつけて、何も知らないお年寄りが高い手数料の商品を買わされている、というようなことですが、これは、ネット証券で何か気が大きくなってFXやっちゃうという問題と大差ないはずです。

「投信を売りつけられちゃう」などという話は、ずうっと40年くらい働いて退職金をもらったはいいけれど会社の仕事のことしか知らなかったので運用とか全くわからないのに儲けたいという欲の皮の突っ張ったおっさんとか、ずうっと土地を後生大事に抱えてきて公共土木で買収されてお金が入ってきてでも運用とか全くわからないのに儲けたいという欲の皮の突っ張ったおっさんおばさんとか、そういう持ち慣れないお金を持ってしまったにわか富裕層のお話であって、山崎元の本を手に取るような、資産形成期の30~40代の人たちには縁のない話です。

だいたい、銀行や証券の窓口の人は、自分たちの人件費や間接コストや会社の利益やを賄うために、毎月億を超える投資信託を売り上げないといけないのですから、総資産が数十万や数百万のお客さんに手間暇かけて投信を売りつける動機などありません。

 

ちなみにこういう証券会社や銀行でついてくれる自分の担当の社員には、「自分は低コストの投資信託しか買いたくないので、条件に合致する商品が出てきたら勧めてくれ、見えないところのコストがある複雑な商品は買いたくないので、自分が理解する範囲でしか買わない」と伝えておけば、だいたいプレーンなインデックス投信を勧めてきます。

 

要は、ネットでだって対面だって、自分の考えがしっかりあってブレなければ、お金は正しく運用できるわけです。そして、ネットだと、本当に経済の情勢や自分のお金の都合がわからなくなった時に相談する相手はいませんが、リアルな証券会社には相談する相手がいますし、銀行であれば、ローンや資金繰りのことも含めて相談できる人がいるわけです。証券会社や銀行の人は、上で書いたように、積極的に営業をかけるのは、数千万から数億円を持っている人だけですが、こちらから相談すれば、むやみに彼らの時間を取らない限り、それなりに親身に正しいアドバイスをくれるものです。

 

付き合う相手としては、ネット証券、リアル証券会社と銀行と、どこがよいかは自分で考えればよいですが、私なら、身近に通えて、リアルな相談相手はいるけれど、無理無理の営業をかけてこないようなところでお金は運用したいけどなあ。